WONDER BOY 新章5章 LUVの手
それは、しらなかったよ。肝心な道をえらんだ男の子は、遠いバス停に、お気に入りのステッカーをそっと、忍ばせた、絶対、ぜったいにその意味を、問われも、暴かれない事をねがいながら、上にある、夜空の、白く光る点点は、すごい速さで、むこうの森に落ちて行った、森には、深いところに、魔女がいるだろう、黒いカラスでも、黒い猫でも無く、黒い山羊と、グレーの馬を連れていた、毒林檎は、いたる木になっている、そんなものは、食べても問題ないが、問題あるひとだけが、食べては、眠るのだ、その魔女の住む、さらに奥の、もっともりの深いところに、LUV(ルーヴ)は住んでいた、だれにもみつからず、だれにもしられず、そっとそっと、みつけてもらうのを待っていたのだ、LUVはおおきな眼をまっすぐに、そのとおくを見ている、丸められた黒いHATEの塊のドットの雨のなか、その空中を裂いたあいだから、それは現れた、LUVは少女のねがいを、そっと、それに渡す、あとは守るだけ、LUVは、ただひたすら、沈黙で、守るのだ、静かに、自分より小さな世界で、丸くなるものを、守るの。
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