WONDER BOY

WONDER BOY 第7章 スカートの男の祖母ハネルが話した新月の魔女と人魚の骨の歌の話、オスカーの決意

Posted in Uncategorized by dikdiklyly on 04/28/2012



ぼくがスカートの男のとこらから帰ってきてスカートの男が死んだのを知るまでに変な夢をたくさん見た、そして昨晩の夢にとうとう彼のおばあちゃんが出てきたんだ、スカートの男は、人魚の歌声について教えてくれたことがある、人魚の歌は聞いてはいけないそうだ、スカートの男のおばあちゃんがよくいっていたようで、おばあちゃんは人魚の歌を聞いてしまったから死ねないといってた、そのおばあちゃんは、とても小さくて可愛らしく白い綺麗な髪を、三つ編みにしていてとてもやさしくお砂糖の匂いがする人だったそうだ、……<回想-スカートの男の祖母とスカートの男が5歳だった頃(語り手:スカートの男の祖母ハネル)ー、私は、いつも通り、木でできた私の母からもらった椅子に座り、孫は床に小さく座り大きな瞳をくりくりとさせて、私の話す物語を聞いていたの、私は孫の瞳に映る暖炉の小さな灯りが好きだった、そして私の話するたびに口に力を入れたり、呼吸が粗くなったり、かわるがわるの表情を見るのが好きだったわ、その晩は、孫は人魚の絵本を読んで聞かせてほしいと言ったの、でも、私には人魚とのある出来事があった、だから、その話を孫に聞かせてあげることにしたのよ、「この絵本もいいけれど、おばあちゃんがむかしに人魚にあった時の話を聞くかい?」孫は、持っていた絵本を、床にそっと置き、興味津々に、こくりと頷いたの、「あれはね、私が、14のときだったの、ここの土地から随分と南に行くとね海があってね、お前はまだ海にもいったことがないからわからないかしら?」孫は勢いよく首を振った、小さい指で人魚の絵本の表紙に描かれた海の絵を指差しながら、「そう、それね、それが海、良くしってるね、いつかおまえにも海をみせてあげたいね、むかしは海の近くに住んでいたからね、海に私はよく昼間ひとりでいっていたんだよ、母からね夜の海には恐ろしい怪物がいて近づいてはならないと言われていたからね、夜には決して近づかなかった、だけどね、その晩はちがった、どうして眠れなくてね、ずっとベッドで考え事や本を読んだりしていてね、窓をあけて夜空や海を見ていたんだよ、その晩は星がとても綺麗だけれど、新月でね月がよくみえない夜だった、新月になると魔女が森からやってくるという童話があるだろう?このまえ聞かせた話だね、私はね黒い夜の恐さにすこし怯えてね、なんだか外をみるのがおっかなかったんだよ、とても、新月の魔女はとても神聖で悪さはしないけれども魔力がとても強いから恐れられてたんだよ、そのせいかしらね、私はベッドに潜って隙間からちょっとだけ夜空を見上げていたんだよ、そうしたらね、やっぱりね、時刻が悪かった、ふたりのほうきに乗った魔女がね、暗い黒い空から舞い降りてきたんだよ、私はとても驚いてね、眼を疑って、思わず、窓から、身を乗り出して、魔女が降りて行った方向をみたんだ、ふたりの魔女は海岸の砂浜から、海のちょっと先にある岩場を見ていてね、私もそのあたりをしばらくみていたんだ、そうしたら、海面がうすーく青白い光を放ってね、なにかピョンピョンと跳ねているんだよ、私は、吸い寄せられるように、家を飛び出し海岸の方へ走っていったんだよ、海岸の近くまで行くと小屋があるからそこに身を隠してね、魔女と、岩場の方をみていたんだよ、魔女はね大きい魔女だった、身長も2メートル近くあったんじゃないかね、何やらね、海にむかって、瓶に入った液体を蒔いたりしていたよ、なにかの儀式だとおもってね、私はすごく心臓がドキドキしたけれどあのときは若い娘だったからこれから起こるすべてを見たい気持ちが強かったんだね、」私は孫の頬を軽く撫でた、つるつるであたたかくやさしいマシュマロの様な感触だった、私は孫を怖がらせないように微笑みかけ話を続けた、「そうしたらね、海面が白い強い光を放ってね、私も眼を瞑ったよ、あまりに一瞬だったけれど強い閃光だったんだよ、そうしたらなんだろう、聴いたことのない、コンコンポンポンした音色が聴こえてきてね、私は恐る恐る眼を開いてね、次の瞬間とても驚いて、躯が震えたのを憶えてるよ、魔女も大きかったがそれよりはるかに大きい、人魚が現れていたんだ、人魚の黒い魚の足は大きく動いて、海面を揺らしたけれど波の音は全くしないのよ、長く銀色に輝く髪は海とつながってる様で、眼も銀色に輝き、ともて恐かったの、そして、その人魚は海面に浮いたり沈んだりする骨の様なものを叩いてね、たくさんの数があったよ、不思議な音色を奏でたんだよ、そして、なにやら歌いだしたんだ、私はね、段々と心臓が痛くなってね、心臓が握りつぶされるのではないかと苦しんだんだ、魔女たちもねおなじようにね苦しんでいたようだった、私はね、顔や躯から汗のようなものが流れ出してね、躯も爆発してしまうんじゃないかと想って、這いつくばってその場から逃げたんだ、そこから、離れてもまだ苦しくてね、やっとの思いで家に着いて自分の部屋に戻ったんだよ、躯も髪も海に入ったように濡れていてね、窓から魔女や人魚を確認することもできずにベッドで丸くなって眠ったんだ、次の朝、私は、起きるとすべてゆめのように感じていた、悪い、こわいゆめをみたんだって、窓から、きのうの場所を見てもね、いつもとかわらない様子だった、よく晴れた日で、太陽はあたたかく、海は穏やかだった、やっぱり、ゆめだったんだと想った瞬間、私ははだけた白いパジャマの隙間から薄い赤とグレーを混ぜた様なものが見えたんだよ、私はねパジャマを脱いで鏡の前に立ったよ、私は驚いた、髪は白くなっていて、そうしたら、左胸の心臓のところに骨の形をした赤グレーの痣ができていたんだよ、私はまた震えてきてね、指でその痣を撫でると、トクン、と小さく鼓動がしたんだよ、私の母と祖母に正直に話すとね、母は涙を流したね、そして、村の奥の方に住む、祖母の友達の家へと連れて行かれたんだ、古く、汚く暗い家だった、木も葉も生い茂り、薬草の様な匂いがしてとてもいやだった、その祖母の友達はね、私の骨の痣を見るなり言ったんだ、『おまえは不死身の躯になったんだよ』と、私はとても不安とも恐怖ともちがく気持ちになってね、祖母は私の手を握り、母はまた小さく泣いていたね、『おまえ、人魚の歌と骨の音を聴いたんだね』祖母が小さく私を見ながら言ったんだ、私は、祖母の眼を見ながら小さく頷いた、『新月の魔女と人魚の骨の歌の言い伝えは本当なんだよ、まさかお前がその場面に出会ってしまうとは、、、、』 祖母の友達も私の手を握り哀れみの顔をした、『老いたのは髪だけで、白くなっただけで済んだんだね、、おまえはいつまでもその姿のままだよ、14歳から年をとることはない』私はね、白髪になった三つ編み触った、ぎしぎしとした触り心地だったけれど艶がありいい匂いがしたんだ」>これが僕がスカートの男から聞いた彼のおばあちゃんの話、おばあちゃんといっても彼が5歳の時も見た目は白髪の14歳だったそうだ、肌はしろくて綺麗で可愛い少女だったそう、そのスカートの男のおばあちゃんは彼が死んだことは知っているのだろうか、僕はそのゆめをみたときなんだか、使命感と言うかお告げを聞いた様な気持ちになったんだ、そして、スカートの男の少女のままのおばあちゃんに会いに行って話したいことがあると思ったんだ。

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