WONDER BOY

WONDER BOY 第3章 リルとスカートの男の出会い、ソフトクリームの匂いとシルバースター後編

Posted in Uncategorized by dikdiklyly on 05/27/2011



あたしはその日、学校へ行っている間、スカートの男の黒い手帳の事はすっかり忘れていた、放課後、「リル!スクールバス来たよ!はやく」と友達に叫ばれて、急いで鞄のなかにノートを入れている時に、底の方に折れ曲がって入っている手帳を見つけた、「あ、、」あたしはもう一度、ページを開いて”Question”のところをみた、「ブランコ、、、」(何処のだろう)「はーやーくー」友達がずいぶん遠くから叫んでいる、「ごめん!先、行ってて!先生によばれたの!」あたしも大きな声で答えた、「リル、先生によばれたって..」友達がもうひとりの友達に説明している声が聞こえた、「じゃーねーリルー」3人くらいの声と走っている音が学校に響いた、だれもいない教室でひとり、あたしはどうするか考えた、(ブランコがある公園ってどこだろう)ちょっと考えた間に、すぐ答えの場所が脳に入ってきた、なんとくだけど、あたしは、帰る方向とは逆の学校の裏の丘を上がったところにある、”花の公園”を思った、あたしは急いで学校をでて、丘をあがった、そこは、ブランコと、くるくる廻る遊具と、小さいアスレチックがあるだけの公園で、休日は人がたくさん来るけれど、平日はあまり人がいなかった、公園は大きな木々で囲まれていて、その木々は学校の裏の森へとつながっていた、木々のつぎにたくさんの花に囲まれた公園で”Flower park(花の公園)”とよばれている、あたしは入り口近くの大きな後ろに隠れて、公園の様子を伺った、きょうはちょうどライトグレーのパーカーをきていたので、そのフードを被って、隠れるように変化をまったけど、公園にはだれもいず、ブランコが風で揺れたり、時折、よわからない鳥の鳴き声が聴こえるだけだった、「なんだ、ここじゃないのかしら、、」あたしはきっとここの公園じゃないし、そもそもあの手帳にはブランコに来いとも書いてあったわけじゃないし、と思いながら、公園の中に入った、ブランコの近くへ行き、地面にスクールバッグを置いて、ひさしぶりにブランコへ座った、「のどか湧いた、コーラ飲みたい、、」あたしは、ブランコを小さく漕ぎながら、公園を囲む、名前もわからない花々が出す、匂いを嗅いでいた、何種類もの甘い匂いがあたりを包み、とてもよい気分になった、白い花を中心にたくさんの花が咲いていた、「ザザザ」アスレチックの裏の一面の花がオオキク動いたのが見えた、あたしは、なにか動物がいるのかなと思った、「ざざざざざ」今度はもっと大きく動いた、あたしは身を乗り出して、そちらの方を見た、白い布のようなものが動いている、その時、ぶわっと花畑の中から、ボロボロの麦わら帽子を被った頭がでてきた、手にはたくさんの白い花が持たれていて、「人?」あたしは、おどろきながらも様子を注意深く伺った、人だった、しかも、男、あ!立ち上がった、白いワンピースを着ている..「 あの男、、、」そう、そこにはスカートの男がいた、満足そうに自分が摘んだ花々を眺めている、スカートの男は立ち上がり、踊りだした、足をあげたり、手元を胸に当てたり、曇り空から差し込んだやさしい陽の光を浴びて、スカートの男は摘んだ花で花の冠をつくり、ボロボロの麦わら帽子を脱いで、放り投げ、冠を被った、そして、また、たくさんの花を摘んで、アスレチックの上へ駆上がって、持っていた花を天にむかって投げた、花は持っていたよりも100倍くらい量が増えたように雨のように、公園に降り注いだ、白い花びら一枚一枚がキラキラと輝いて、甘い匂いを放った、雲は太陽を隠し、雨を降らした、冷たくない不思議な雨だった、ずぶ濡れであたしはまだブランコに座り、スカートの男の奇行を眺めていた、スカートの男はくるくるとまわる遊具にのっかって楽しそうに踊ったり、また、花を摘んで廻りながら投げたりしていた、花びらは雨と交じって、さっきとは異なる微睡んだ匂いを発し、雨の滴をのせた花びらは一層、輝いた、スカートの男の履いた白いコンバースは泥んこだらけで、スカートも裾が泥で汚れていた、魔法のように踊り、魔術のように花びらを投げ、呪文のように小さな声で歌っていた、どこかで聴いた事のあるようなメロディーも聴こえる、ずいぶんと長い間、あたしはスカートの男を見ていた、あたしの手に握られていた黒い手帳も雨で濡れていた、その時、一瞬、スカートの男と眼と眼が合った、スカート男はあたしの、傍まで、駆け寄ってきて、あたしの手から黒い手帳を取った、少しだけ触れた、スカートの男の手は生温く、近くに寄ったときに感じた匂い甘い、ソフトクリームの匂いだった、スカートの男じは手帳を持ったまままた踊りだした、あたしは、なんだか、手の感じを受けた瞬間に魔法から溶けたように、ブランコを降り、スクールバッグを持って、公園から逃げ出した、公園の入り口を出たところで、人にぶつかった、同じ学年のオスカーだった、オスカーは色白で太った男の子で、「イテ!」といっていつもあそんでいるゲーム機を落とした、オスカーとは眼が合ったが、あたしは、謝ろうと思ったけれど、何も言えず、走って逃げた、美しいけれど、見てはいけないようなものを見た感じで、なんだかママに内緒で悪いことをしてしまったような気持ちになった、あたしは、学校まで翔ていき、最後のスクールバスに飛び乗って家へとむかった、スクールバスにはめずらしくだれも乗っていなかった、クラブも雨で中止になったのかと思った、「どうしたの?そんなにびしょ濡れで」バスの運転手が聞いた「雨が降ってきたから..」あたしは前髪を触りながら言った、「雨なんてきょうは降ってないよ」あたしは嘘でしょとおもいながらいちばん後ろの席まで行って、座った、バスの窓から外を見ると、雨を降った感じはなかった、むしろ、とても晴れた綺麗な夕方だった、バスを降りて家まで歩いている間もとても不思議な気持ちだった、家に帰るとママがあたしを見ておどろいた「おかえり…?なんでそんなにびしょびしょなの?雨降ってた?あ!学校のかえりにあそんできたのね」「ちがう」あたしはママの顔をちゃんとみれないまま自分の部屋に行き、洋服を着替えてリビングに降りて、ソファに座った、「はい、ミルクティー」ママがテーブルの上に置いた、「コーラのがよかった」あたしはマグカップを睨んで言った、あたしはソファに寝転びながら、さっきのことをかんがえていた、眼を瞑るとママが聴いていた音楽が耳に入ってきた、ママが聴く音楽はいつもしらない曲ばかりだった、でも今流れている曲はさっき男が踊っている時に流れてきた曲にとても似ていた、「ママ、この歌ってなんて歌?」「んーこれはとても古い歌よ」「なに?」「What The World Needs Nowって歌」「ふーん」その日は夜中、眠っている間も夢の中でも、その曲が鳴り響いた、花びらとスカートの男と共に、、、

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