WONDER BOY 第4章 スカートの男が継母から聞いた物語「ギリムの黒と白の魔女、鏡に囚われた男と黒い毒林檎」2
これはスカートの男の継母がスカートの男が眠る前に「白雪姫」をお話しようとしたけれどうる覚えで話した物語
…..ハウバルはどのくらい森の奥へ奥へ奥へと走ったでしょうか、ハウバルは走り疲れその場に座り込みました、(逃げろって言ったってこれからどうしたらいいの) ハウバルは泣きそうに顔がまっかになりました、「泣いているの?」ハウバルの近くで声がしました、やさしい女の声、あたりを見渡すとだれもいません、「どこからきたの?」「美しい男の子ね」「ほんと!」「スニーカーがおしゃれだわ!」「ひとりなの?」いくら見渡してもどこにも人はいないのにおしゃべりする声だけがつぎつぎと聞こえてきます、「どこにいるの?」ハウバルは怯えた声で言いました、「ここよここ」「わからないの?うふふ」「わたしたちが!」チクッ!!!ハウバルは地面についていた手に激痛が走るのを感じました、「イタッ!」手元をみるとなんと25cmくらいの小さい老婆が7人、ハウバルの背中の後ろに隠れてくすくすと笑っていました、「え?!あなたたちはだれなの?」「わたしたちはこの森に住んでいるものよ、あなたこそだれ?」「僕はハウバル、ギリムの黒い魔女に殺されそうになって、逃げろと言われてここまで来たんだ」老婆はみんなローラースケートを履いてくるくると滑ったりしていました、「そのなの?わたしたちはローラースケートで白い魔女の家へ行くところよ」「え、ほんとなの?僕も一緒に連れて行ってくれない?」「いいわよ、そうね、黒い魔女に追われているなら、白い魔女に相談するのがいちばんいいわ」ハウバルと7人の老婆たちはギリムの白い魔女の家へとむかいました、暗い森をどんどんとすすみ、途中にはみたことのないモンスターの眼が暗闇で光っていたり、森の大きな木たちのおそろしい声を聞いたりしました、1時間くらい歩くと暗い森の中に白いポワンとした光が包み込んでいるのを見つけました、「あそこよ」「白い魔女はこんなところにいたんだね、」白い魔女に家は陽のようなあたたかい光に包まれ、木でできている真っ白い屋根おうちでした、白いドアからぶらさがってる白い紐をひとりの老婆が引っ張ると上に付いている白い鈴がなり、中から声がしました、「どなたかしら?老婆たちね」白いドアを開けると魔女たちは「きゃーー」といって一斉に家の中にローラースケートで入って行きました、ハウバルははじめてくるところなのでドアの外でじっと白い魔女を見つめていました、(とても綺麗な人、、、)ハウバルはそう思って顔がなんだか赤くなりました、「はじめまして、あなたがハウバルね」白い魔女は、まっしろな長い髪を横でひとつにみつあみにしていて、よく見ると睫毛も眉毛も白かった、袖が膨らんだとても可愛らしいドレスを着ていた、「さぁ、どうぞ」ハウバルは恥ずかしそうに「お邪魔します」といって中へ入った、7人の老婆たちはローラースケートを脱げ捨て自分たち専用の、人形の家でくつろいでいた、「さあ、そこに座って」白い魔女は白い兎の毛でできた椅子を手で差した、白い魔女の部屋はすべての家具が白くて眼がとてもチカチカした、白い魔女は大きな白い木でできた椅子にかけて、消えていたひとつのキャンドルに息を吹きかけて火を付けた、「なんで僕の名前を知っているのですか?」白い魔女は美しい白い手を翻すと薄い氷のようなグラスに入ったミルクを現せたそれをハウバルに差しだしながら「あなたのことは水晶でみましたよ、それにわたしたちの間では森の外にはとても美しい男の子がいると噂になっていましたからね、とくにあの7人の老婆はよくあなたたちのことを話していたわ」7人の魔女はひとりは眠り、ひとりは本を読み、ふたりはこちらをみて内緒話し、ひとりが小さな鏡の前で髪の毛を整え、ひとりは新聞を読み、ひとりは散らかったローラースケートをきれいに並べていた、「そうなんですか、、、白い魔女さん、僕は貴女にお願いがあるの」白い魔女はうっすらと美しく笑った「それも大体なんだかわかってるわ、私の名前はスノーホワイト、ギリムの白い魔女です、あなたを追っているあの魔女は私のお姉さん、ナイトブラック、ギリムの黒い魔女よ、ナイトブラックはね、とても気難しい魔女ね、そして誰よりも美しくないと気が済まないの、本来、黒い魔女は高貴で素晴らしい魔法と知恵を持った魔女なのに、、、ほんとうにごめんなさいね」「いいえ、でもなぜ、ぼくが殺されなきゃ行けないのかわからなくって、、」「それはあなたが美しい男の子だからなのよ、、、さあ、入って、」白い魔女は暖炉のとなりにある扉を見ながら言った、そうすると扉が静かに開き、そこから男が出てきた、男はハウバルに向かって頭を軽く下げた、「この男は鏡に囚われていた男よ」、、、つづく
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